隣は空席のまま…
第5章 敗北者に優しくない世界
ホタルの後を付いていく…
ただ…それだけなのに――――…足は重く
胃は痛む
バカなのは私だ……
私のアパートに来て騒ぎ立てる…智子ちゃんは何も悪くない…
あぁ……
どうしたらよかったの?
どうしたら…
誰も傷付かない付き合いができたの?
どうしたら……
うまく
生きられたの?
「………ほら、着いたわよ」
気がつくと……真新しい一軒家の前に立っていた…
「………ここは?」
「私の家よ――――…何?その顔…不満?」
「………いや、雑居ビルの一室かと思ってたから…」
「あんた、私にどんなイメージが有るわけ?」
頬を膨らまして怒ってみせたホタルは、ポケットから鍵を取り出して
玄関を開けた
「………本当に…ホタルの家なのね」