隣は空席のまま…
第5章 敗北者に優しくない世界
玄関を開け…電気を点けるホタルのこなれ感から…
ここに何年も住んでいるホタルの日常が垣間見れた
「リビングは、こっち――――…」
広い…廊下…
高い…天井…
二階建ての…真新しい家
「………ホタルが1人で住んでるの?」
「………今はね」
「今…は?」
ホタルは、リビングの電気を点けるとキッチンに向い…電気ケトルのスイッチを押す
「―――――叔父の所有物…だったの…
もう、今はいないけど――――…昨年、病気で死んじゃったの…」
ホタルは、リビングを遠い目で見渡し――――…ふっと、タメ息を吐いた