隣は空席のまま…
第7章 ホタルの叔父
家庭の事情で――――…妹の子を預かるかも
と、事情は濁らせたが……
立ち居れない事かもと、マスターは深くは聞かなかった
しかし、数週間後…小笠原さんが喫茶店に連れてきた子を見て――――…マスターは理解したと言う
その子は、子供と言うには大きく…中学生で大人の会話は全て理解できる年齢だった
それに…大人びていて…なにより綺麗だった
「始めまして、ホタルです」
そう言うと怯えたように小笠原さんの後ろに隠れた
「いらっしゃい、お嬢さん」
マスターは、ホタルを最初女の子だと思ったらしい…
髪が長く、色白、細くスラッとした体格
中学生にしては大人びた女の子…
だが、小笠原さんは笑って「こいつ、男ですよマスター!」と、自慢げに紹介した