隣は空席のまま…
第8章 不安と天秤
「――――で、どんな病名でも…受け入れる覚悟よ…彩芽…」
向かい合わせに座ったホタルがやっと口を開いた
でも、“病名”発言で――――…
私の身にグッと力が入った
「――――病気…じゃ…ないの」
そう、妊娠は病気ではない――――…でも…
なんて切り出せばいいか解らない…
解らないだらけで――――…私は身動きが取れなくなっていた…
「ホタル――――…私は…体はどこも悪くなんかなかったよ――――…でも…」
「――――…でも?でも…なに?」
安堵したホタルの顔が
私の次の発言で…どう変わるのか…
想像したくなかった