隣は空席のまま…
第8章 不安と天秤
「――――…本当だ……私…」
私――――…産みたがっている…
すると
お腹の辺りが暖かく感じ始めた
「――――…産みなさい…彩芽…」
怒られるかと…思った…
バカにされるかと…思った…
ホタルに、嫌われるかと…思った
でも――――…ホタルは私の話をちゃんと、聞き…
支えてくれた
私の無意識の願望に気付いてくれた
「ホタル――――…ありがとう…私…自分の事が許せなくなりそうだった…」
「バカね…
自分の事を許して…1番愛してあげられるのは自分だけでしょ?」
ホタルは私の目の前でかっこよく笑って見せた
私の気持ちは…
小さな塊を先生に見せられた時には…もう、決まっていたのかもしれない
何を天秤にかけても……
答えは初めから決まっていたのかもしれない