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隣は空席のまま…

第8章 不安と天秤


“産みたいんでしょ?”



その言葉に――――…私は一瞬…ドキンとした


でも――――…




「――――…解らないの…本当に…」





「いいや、もう――――…決まってるわよ…産みたい…って」




私は、ホタルの言っている事が解らず首を強く振った!!




「!!本当に!本当に解らないの!!」




すると、私を落ち着かせるかの様にホタルは優しく私に微笑んだ




「彩芽――――…あんたさっき…お腹に手を当てて“ごめん”って言ったのよ?


ちゃんと、そこに命があって…生きていて…愛おしいって――――…思っているんじゃない?」





私は、自分の置いた手を――――…見つめる





確かに…




下腹部に優しく手を置き…守っている








――――…守って…いる




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