隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
強くなりたい!
強くなって――――…私は…この子を守りたい
手渡された写真を母子手帳に挟み…
私は、喫茶店に戻る
と――――…
誰かに呼び止められた気がした…
「――――…?」
振り返り……息が…止まるかと思った
遠くに――――…
智子ちゃんの…姿が見えた
私は咄嗟に――――…身を隠してしまった!
産婦人科の近くで声を掛けられるなんて…
人違いだと……思って欲しい…
あれから、職場はもちろん…智子ちゃんや隆太がどうなったかは知らない――――…
でも、声を掛けられた?
智子ちゃんに?
解らない!似ている人かも知れない…