隣は空席のまま…
第1章 嘘つきの魅力
それから私たちは…
マスターの美味しいお酒を…飲み――――…
店の前で別れた――――…
時計を見ると…
丑三つ時を…少し過ぎていた…
普段なら…寂しくて…寝れず…
テンションだだ下がりの時間帯…
だが…今は――――…ホタル煙草の香りを体に纏っている事もあり…
まだ、楽しい気持ちでいられた――――…
変な…オカマだったが…
言いたいことを言わせてもらった…
普段なら…溜め込み飲み込む言葉が…
ホタルの前だと…スラスラ出ていた…
“不倫は犯罪”
私は…犯罪者……かぁ…
だよね…奥さんやお子さんにしてみたら…
家庭を脅かす存在…
徹底的に悪なのだから…
彼からは…しばらく…連絡は無いはずだ――――…
気持ちを整理するいい機会だ…