隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
あれから…どんな道順で帰ってきたか解らない
予定していた時間から大分遅れて帰ってきた私に、ホタルが心配そうに駆け寄る姿で我に返った
「彩芽?!どしたの?なにかあった!?」
気がつけば…すでに夕方近くで
ホタルの焦り具合も解る気がした
「ごめん…なんでもないよ?知り合いにあって――――…」
「知り合い?――――…そう、立ち話でもしてきたの?もう、心配したじゃない!」
立ち話し――――…なんて、してはいないが…
知り合いに会ったかもしれないは…本当のこと…