隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
徒歩で産婦人科まで来ていた私たちは、喫茶店の看板が見えたあたりから足取りが軽くなる
そして私は…何故か、ホッとしていた
この前の診察の帰りに――――…智子ちゃんを見かけた気がしたから…
少しだけ…シビアになっていたらしい――――…
だが――――…ホッとした私の腕を誰かが後ろに引っ張った!!
「!!痛っ――――!」
無理矢理後ろに手を引かれ――――私はよろめいた!
倒れる――――!!
「彩芽!!」
だが、隣にいたホタルに体を支えられ道端に倒れる事はなかった――――!
「誰だ――――!!!」
ホタルの怒鳴り声とともに振り替えると!!
そこには――――
鬼の形相をした…智子ちゃんが私の腕をギッチリ握り立っていた――――――――…