隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
「――――智子…ちゃ…ん」
手首をギリギリと掴まれ――――…後ろに引かれるが…
後ろに引っ張られる事をホタルが食い止めている状況――――に、私はやっと自分の危うい状態を理解できた!
「――――彩芽…さん…隆太さん何処ですか?彩芽さんでしょ?隆太さん――――…隠したの…」
智子ちゃんは私の手首を…女の力とは思えない強さで握ってくる――――!
「!いっ――――…痛い」
よく見ると――――…爪を皮膚に食い込ませ…抵抗出来ない様に私を押さえ込んでいる!!
「ちょっと、君――――!彩芽を放せ!」
ホタルが智子ちゃんと私を引き離そうとするが――――!
まばたきをせず私を睨む智子ちゃんは…何処か壊れているのだと…感じた――――…