隣は空席のまま…
第12章 握る手――…それは
黙って――――…家を出てきてしまった…
ホタルの顔が見られないからって…
気まずいからって…
私は早めに喫茶店に来てしまった事を後悔していた
だって――――…
付き合うことを断った私が…
どんな面下げてホタルとブランチできるのよ…
それに…
もう――――…帰れないのでは?と…
今後の不安もつきまとう
――――マスターから喫茶店の鍵…借りていて良かった
私は、喫茶店の入り口の鍵を開けて中に入った…
タバコの香り――――…お酒の臭い…
夜はここでホタルがバーを任されている…
フル活用されているレトロな喫茶店に…
私は目を閉じ――――…昨日のホタルの様子を考える