隣は空席のまま…
第13章 小さな壁とハードル
「――――不束な娘ですが…どうぞよろしくお願いします…」
頭を下げた状態で聞こえた…母の声――――…
「…お腹の子――――…俺は…おじいちゃんになるのか?」
父の声――――…
顔をあげると…父と母の笑顔があった…
「――――…色々…あったんでしょ?色々あって…ここに来てくれたんでしよ?
彩芽――――…幸せになるのよ?」
そう言うと…母は頷きながら…笑った
父も――――…照れながら笑った
「おじいちゃんに…おばあちゃん――――…ですって…パパ…家族が増えるわね…」