隣は空席のまま…
第3章 記憶の中の甘いズレ
「で、もう恋なんてしない~…とか、言っちゃうの?」
「…はぁ?なにそれ…」
あのバーで飲んでいると…
ホタルに出会す事が増えた――…
違う、私がバーに足を運ぶ回数が増えたのだ…
「ったく…別れたって聞いたときは――…ザマミロって思ったわよ!」
「オカマ…最悪」
私達は…何度か飲む仲になり……
今では、互いの連絡まで交換していた――…
ホタルは、私に深酒をさせない――…変な気の効かせ方をする
「じゃぁなに?次ぎでも探す?!手伝うわよ!」
「やめてよ、ホタルが一緒だと!!私までオカマ扱いされちゃう!」
「はぁ~!!!私の方がモテるから嫌なんでしょ!!」
ホタルと飲むのは楽しかった…
女を忘れて飲めるから…
ばか騒ぎして…大笑いして……
気兼ねなく…飲める
忘れていた…
私は――…彼の前では…常に女だったから…