隣は空席のまま…
第5章 敗北者に優しくない世界
「――――あの…私…仕事で何か…してしまったのでしょうか…」
向かいに…渋い顔で座る上司に――――…
恐る恐る聞くが――――…
返答は――――…まったく予想にしていないものだった…
「――――蔵主さんは、仕事は完璧だ…申し分ない…
だが――――…
昨日――――…
要君の奥さんが……ここに来て…君を出せって…暴れたんだよ…」
「―――――――要…さんの……奥さんが……?」
一瞬…何を言われたのか…理解できず…
私の動きは…フリーズしていた…
要……要――――…隆太…
要 隆太!!!
私は、徐々に…昨日――――社で起きたことが理解できた!!
隆太の――――――――…奥さんが…
会社に来て――――…暴れた?