テキストサイズ

リアル

第4章 4

やっちゃんの顔を見れずに、下を向きながら湯船の端に逃げた




やっちゃんは首までしっかり湯船に入った




それでようやく安心してやっちゃんの顔がみれた




風呂から出る時もやっちゃんを見ない




絶対に見ないと誓った




部屋に戻るとすぐにやっちゃんは電話をかけた




もしもし。うん。部屋に着きました。 はい。わかりました。おやすみなさい。




電話を切ったのを確認してゆうが聞いた




旦那さんに電話?ちゃんとするんだね。




うん。しないと…ね。




やっちゃんがうつむいて答えた




ハハ…ラブラブだね




おどけて言うのもこれが精一杯だ




もう、胸が苦しくて仕方ない




部屋食で頼んでおいた日本酒をぐいっと飲み干した




それをみたやっちゃんがお猪口に注いでくれる




そんなとこも今は苦しいだけだ




酒が進むと二人共笑い転げた




起き上がると、やっちゃんとの距離が近づいている




顔と顔も近い



慌てて下を向くとやっちゃんの浴衣がはだけて太ももが見えている




やっちゃんが気づいてサッと直した




意識してくれてる?



それとも見られるのも嫌だから?




2人共お酒が進んで午前3時になってしまった




やっちゃん、明日のチェックアウトが10時だからもう寝ようか?




並べて敷かれた布団に緊張して中々言い出せなかったがお酒も入り、一日遊んだ疲れもあり、何も考えずに寝れるような気がした




そうだね。笑い過ぎて寝れるかな?お休み。




やっちゃんはそう言うと窓側の布団に入った




電気を消し、目を瞑った





自分の心臓の鼓動が聞こえる




やっちゃんが隣にいると思うとソワソワしてしまう




………眠れるかー!!!




あんなに疲れていたのに、全然寝れない!



やっちゃんはどうだろう?



横を向き、見てみた



頭まで布団をかぶっている



もう髪の先しか見えない




そんなに嫌…ですか?



完全に拒否されている



そんな気がした














































































ストーリーメニュー

TOPTOPへ