青鬼の怪~あなたは、これを信じますか?~
第1章 妹からのメール
驚いたこと、幼い私が突如として、しくしくと泣き出した。何がそんなに哀しいのか、小さな手で顔を覆い、泣いている。
「何をそんなに泣いているの?」
たとえそれが過去の自分だと判っていても、現実にはあり得ないことだとしても、眼前で年端のゆかない子どもが泣いているのを見るのは 気持ちの良いものではなかった。
どうやら、幼いもう一人の私にも今の私の姿がちゃんと見えているらしい。
私がたまりかねて訊ねると、幼い私が顔を上げて答えた。
大きな黒い瞳に涙の粒が雫のように宿っている。
「おばあちゃんが死んじゃうのよ。お姉ちゃん、私のおばあちゃんが死んじゃうの」
〝おばあちゃん〟のひとことで、私はやっと思い出した。
道理で、私たちがいる場所に見覚えがあったはずだ。そこは、父方の祖母の住まいであった。
婿養子であった父は私の母、つまり、母方の祖母と同居しているからか、私はあまり父方の祖母に逢ったことも、父の実家に行ったこともない。
「何をそんなに泣いているの?」
たとえそれが過去の自分だと判っていても、現実にはあり得ないことだとしても、眼前で年端のゆかない子どもが泣いているのを見るのは 気持ちの良いものではなかった。
どうやら、幼いもう一人の私にも今の私の姿がちゃんと見えているらしい。
私がたまりかねて訊ねると、幼い私が顔を上げて答えた。
大きな黒い瞳に涙の粒が雫のように宿っている。
「おばあちゃんが死んじゃうのよ。お姉ちゃん、私のおばあちゃんが死んじゃうの」
〝おばあちゃん〟のひとことで、私はやっと思い出した。
道理で、私たちがいる場所に見覚えがあったはずだ。そこは、父方の祖母の住まいであった。
婿養子であった父は私の母、つまり、母方の祖母と同居しているからか、私はあまり父方の祖母に逢ったことも、父の実家に行ったこともない。