
☆時計じかけのアンブレラ☆
第13章 君がいるから
―――8/29。
そんなわけで、俺と潤くんは休みを合わせて都心から車で3時間程のところにある温泉に来た。
宿は、周囲を山に囲まれた静かな森のなか。
チェックインを済ませて、女将さんに部屋に案内された。
予約したのは、和風モダンな露天風呂付きの客室。外には木製のテーブルとリクライニングチェアが置かれているテラスがある。
「はぁ〜、ここいいね!部屋の感じとかロケーションとか最高」
潤くんが感慨深げに言う。
「ね、すごい落ち着く」
「かず〜、まだ夕飯まで時間あるから外散策しようよ〜」
「え〜、潤くん疲れてないのぉ?」
「またすぐ『え〜』とかいう(笑)!
なんかね、宿のまわり遊歩道があるんだって」
「わかった、行こう。ちょっとだけだからね〜」
俺は渋々了解した。
