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☆時計じかけのアンブレラ☆

第14章 虹

「…かず、そこ座って」
自宅に帰ってきて、促されるままリビングのソファーに座った。潤くんも隣に腰掛ける。


「潤くん…ごめん」

「かずは隙がありすぎるんだよ。前、俺らの番組に斗真が来たとき、かずのことすげー見てたんだよ。なんか不必要なスキンシップとかもあったし…」

「…見られてるとはそんなに感じなかった。でも…確かにそのときはやけに触ってくるなぁとは思った。3日前も…食事行こうって言われて…。最近断ってばっかだったから、断りづらくて…。まさか、あんなことされるとは思わなかったし…」

「…まぁ…。それはそうだけど…」


少しの沈黙のあと、
「いつまでもこんな状態じゃ嫌だから…」
潤くんは俺を引き寄せてぎゅっと抱きしめた。


ああ、潤くんの匂いだ…。

このところ触れられてなかったから、抱きしめられて改めて潤くんの匂いが好きなんだと実感する。


「…潤くん、ごめんね」

「…もう、いい」
潤くんは俺を強く抱きしめて髪を撫でてくれた。

「斗真には…ちゃんと話す」

「…そうだね」

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