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☆時計じかけのアンブレラ☆

第16章 Be with you

side N

俺は「早く終われ」オーラを全身から放ち、なんとか仕事にかたをつけ急いで病院に向かった。

「潤くんっ」

看護師さんに案内され陣痛室のドアを開けると、そこにはベッドに横たわって苦悶の表情を浮かべる潤くん。

俺の顔を見て、一瞬安心したような顔になった。

「…かず、遅い…!」
「ごめん、ごめんねっ」
「…うそ。お疲れ様。…うぅ、痛い…」

俺は、苦痛に顔を歪める潤くんの腰を摩ってあげることしか出来なかった。

自分てなんて無力なんだろうと感じた。

でも立ち会うことは最初から決めてた。

神秘の瞬間に立ち会いたかったから。

俺に出来ることはそれくらいしかないから。


でも、声を掛けようにも何て言ったらいいのか言葉が出てこない。

俺はただ見守ることしか出来なかった。

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