
☆時計じかけのアンブレラ☆
第16章 Be with you
「オギャーッ、オギャーッ」
「…はいはい。ちょっと待ってね〜」
出産して誰もが経験するであろう夜中の授乳。
ウチでも毎日の恒例になりつつあった……。
俺は眠い目を擦りながら、身体に鞭打って起き上がる。
隣の部屋で泣き声が聞こえるからか、母さんも毎晩起きてきてひよりを抱っこしてくれてる。
「ひよちゃん、もうすぐミルクできるからね〜」
「ありがと」
ミルクを準備し、母さんからひよりを受け取る。
「母さん、寝てていいよ?」
「うん。ひよちゃん、おやすみ〜」
母さんはひよりに優しい笑顔を向けると寝室に戻っていった。
愚痴も言わずに毎晩付き合ってくれて、ほんとありがたい。
母さんて偉大だなあ、とつくづく思う。
俺も出産を経て変わったことがある。
ひよりが泣いたら、どんなに眠くても目が覚めるってこと。
これが親になるってことなのかなあ、としみじみ感じていた。
