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明「ない、ない、ない、スマホがないっ
何で、何でないんだよ！？」

母「何、どうしたの」

明「スマホが、俺のスマホがないんだよ
落としたのかな…」

母「誰かが拾ってくれてるかも、かけて
みるわ」

明「だといいけど…」


母のスマホから
明のスマホに電話をかけた

コール音は鳴るが誰も出る気配は出ない
誰にも拾われなかったのかと
諦めかけた時…


男子『…もしもし』

母「出た」

明「ちょっと代わって」

母「あ」

明「もしもし、そのスマホの持ち主です
けど今どこですか」

男子『…』

明「ちょっと聞こえてます？」

男子『…』

明「もしもし！？」

男子『そんな大声出さなくても聞こえて
るよ…』

明「なっ、聞こえてるなら」

男子『屋上で待ってるから返して欲しけ
れば取りに来い』

明「あ、ちょっ待っ…切れた…」

母「何だって？」

明「返して欲しければ取りに来いだって
ちょっと行って来る」

母「行ってらっしゃい」

明「…」