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明「この前…和彦さんが電話で話してる
の聞いちゃって…」

和彦「…そうですか…」

明「…」


和彦の反応は予想通り
困った表情で答えに戸惑っていた


明「…すいません」

和彦「正直、子供は欲しいですよ、母も
孫の顔を見たがってるし」

明「…」

和彦「もし出来たら産んで」

明「…産めません…」

和彦「えっ？」

明「子供の未来を考えたら産めないです
戸籍上、存在してない自分が母親なんて
かわいそうです…」

和彦「…そう、ですね…」

明「…すいません…自分から聞いといて
一方的な事言ったりして…」

和彦「…」


やっぱり聞くべきじゃなかった

平気なふりをしていたが和彦がショック
を受けているのは明確
辛そうだった…


明「…ごめんなさい…」

和彦「どうして謝るんですか？」

明「…」

和彦「二人でいればきっと楽しいですよ
だから別に」

明「将来、将来…子供が欲しくなったら
俺はいいですから…」

和彦「どういう意味ですか…」

明「…」