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喫茶くろねこ

第2章 マスターくろねこ

また、現在のマスターである黒猫のテレパシーは全ての人が受信出来るわけではなく、マスターの“声”がほぼ問題なく聞こえる人と、全然聞こえない人、その日の体調等によって聞こえたり聞こえなかったりする人…など、いろいろいるらしい。バイトの合否基準はマスターのテレパシーに対する受信能力があるかどうかで、給料の出来高制というのはマスターとの意志疎通がどの程度可能かで判断するらしい。

「ボクノ、ヘヤハ、ミッツデェ~ス。」

ミッツ?!ミッツって、3つ?一人で3部屋も借りてるの?

『許してやれ。この御仁は、まだ日本語が不完全なんだ。3つと言っても3部屋という意味ではなくて、自分の部屋は3階だと言いたかったのだ』

外国人留学生の話す、やや分かりにくい片言の日本語を、テレパシー使いの猫に通訳してもらう、というなんとも奇妙な状況だが、いつの間にか順応して普通に会話している僕がいた。

この店のアルバイトは、この外国人留学生の他にあと2人、50代の自称発明家(男性)と、派遣OLと掛け持ちで働いているアラサー女性がいるらしい。

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