委員長はエッチでした
第12章 真夜中のおしおき
黒崎 亮side
ねぇさんの車に
彩香さんと
二人で乗り
駅まで送って貰う。
駅でねぇさんと別れて
彩香さんと一緒に
電車に乗った。
ねぇさんは
ついでに送ろうかと
五月蝿く言ってたけど
俺は彩香さんと
二人で
電車に乗りたかったから
ねぇさんを宥めて
駅で別れた。
彩香さんの手を引いて
駅に向かう。
朝出会った時から
感じていたけど……
彩香さん
元気がないような……
しかも
寝不足みたいな
表情をしている。
どことなく
ふらつく足取り
口数も少なくて
不安に思いながら
彩香さんの
体を支えて
電車の席に
隣合わせに座る。
電車の揺れで
眠気が襲ったのか
彩香さんの瞼が
何度もくっつきそうになり
その表情が
可愛いくて
笑ってしまう。
彩香さんの
頭にそっと手をやり
自分の肩に
凭れさせた。
うっすらと
赤い顔をして
嬉しそうに
目を閉じる彩香さん。
「ありがとう」
俺の耳元に囁かれる
甘くて
綺麗な声。
長い睫毛を
じっと見つめた。
時々
瞼が震えて
睫毛も揺れる。
綺麗な寝顔に
うっとりと
見惚れてしまう。
ずっと見ていたい。
電車の中は
まぱらに
お客さんが入っていた。
平日の混雑とは
大違いで
ゆったりとした空間。
流れて行く景色。
都会の街並みから
だんだんと離れて
山や川が見えて来て
海が広がった。
綺麗な景色
俺の隣には
愛しい彩香さん。
キスしたい衝動を
ぐっと押さえて
形のいい唇を見つめた。
微かに震える唇。
「ごめんなさい……亮……、
……好きなのに……」
……寝言だろうか?
確かに聞こえた言葉。
ズキン
俺の胸が軋む。
眉根を寄せて
苦しそうに歪む表情。
うわ言のように
繰り返される
ごめんなさいの言葉。
彼女がどんな女の子でも
構わなかった。
学校での噂の彼女は
完璧な優等生
だけど
影では男を食い捲っているとか
噂を聞いた事があった。
それでも別に
構わない。
俺の事を
好きになってくれるのなら。