委員長はエッチでした
第12章 真夜中のおしおき
「……いってぇな、バカかお前は本当に…!あそこから飛び降りるとか、バカにも程があるよ!」
土を払いながら
文句を言って
むくりと起き上がるその人は……
「……えぇっ!?翔矢?なんでここにいるの!?」
……翔矢だった。
飛び降りたあたしを
キャッチして
衝撃に耐えれなくて
庇われながらも
ここまで転がったから
無事に済んだんだった。
……昔から雑草のような
生命力があった。
かなり危険な遊びをして
高い木の上から
落っこちたのは
一度や二度じゃなかったし
いやいやあの当時は
体に肉布団がついてたから
何やっても
無傷だった訳だろうし…っ
それにしても
受け止めるとか……っ!
「なんでここにいるのじゃない!バカなの?あんたって本当に呆れてモノが言えねぇ!……まぁ、亮を呼び出した俺が悪いけどさ!
それにしても、すぐに部屋に行くとか、あいつも普通じゃないね?」
いつかのように
頬の肉をギリギリと
つねられてしまう。
「痛い痛い痛い~!……って、亮は……!?」
体を起こして
ハッとしたように
上を見上げる翔矢。
「……あいつの不審な行動に気付いて、俺も思わず追いかけちゃったからさ、あんたに言ったら不安になるかと、変に気を回して、亮に知らせようと、ちょっと呼び出しただけなのにな」
「……じゃさっきの電話ってあんただったの?」
「まあね、さっそく会ってしまったけどね!あいつをこっそり見張って、取っつかまえようと思ったのにさ!」
チッと舌打ちをして
頬につく土をグイと払っている。
その顔は何だか
ワクワクしてるように見えて
……こいつ、絶対
面白がってるなと
思ってしまった。
「じゃあ亮はもう、部屋戻ってるの!?」
「だろうね~、まぁ、あいつも彩香が落ちたのを、ぼんやり見てる訳はないだろうけどね、取り敢えず今は……手当てだな」
あたしの足に
視線を落として
膝が擦りむいて
血が流れているのに気付く。
「さすがのオトコオンナも、怪我はするか?」
つかつかと近付いて
何をするかと思えば
おもむろにひょいと
肩の上に
荷物のように抱き抱えられた。