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いとしいとしというこころ

第2章 恋とは知らずに



「こないだは、ありがとう。」

「いいえ。」

ちょっと恥ずかしくなってお互い目を見れずに、ちょこちょこと交わす会話。

「あれ?どっかで会ってたの?」

翔ちゃんが会話に参加。

「あ、うん。俺のバイト先。」

「あー、そーなのー?」

翔ちゃんはようやく一段落したようでダイニングのイスに座って置いてあったペットボトルに口をつけた。

「あ、ごめん。
飲み物、飲み物…」

翔ちゃんが立とうとするのを制して和くんが冷蔵庫に向かってジュースのペットボトルを2本出して俺に差し出す。

「どっちがいい?」

「どっちでも。」

「選んで?」

「じゃあ、こっち。ありがとう。」

ペットボトルのフタを外してるとピンポーンと鳴った後すぐに玄関を開けて翔ちゃんのお母さんが入って来た。

「いらっしゃい!
ごめんね、町内会のでちょっとあって。」

あらかた済んでいた様子に翔ちゃんに、ありがとう、と声をかけて食べる準備を整えた。

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