いとしいとしというこころ
第2章 恋とは知らずに
わんこを床に下ろしてテーブルに運ぶのを手伝う。
わんこはすっかり俺に懐いて俺が動くとついてくる。
「マルがこんな懐くのすごいね。」
「思った。」
「マルって言うんだ。
よろしく。」
マルに向かって言うと、
「俺は二宮和也って言います。
遅ればせながら。」
一度合わせてすぐにそらされる目。
“カズくん”のフルネームがやっと聞けた。
かずなり…
「ごめん、ごめん。
和、紹介するよ。
相葉雅紀くん。」
「相葉です。
よろしく。」
お互いぺこりと頭を下げて今更ながらの自己紹介。
ようやく思ったことを訊いてみる。
「翔ちゃん、弟いたっけ?」
「いるよ。今、留学中。」
?
「この子は?」
「あ、これはいとこ。
あれー?言ってなかったっけ?」
すっとぼけたヤツだな、まったく。