いとしいとしというこころ
第3章 偶然の出会い
その日はちょっと羽目を外したというか。
時間配分を間違えた。
いつものように借りたDVD。
前から気になってた映画の前編を観たら後編も観たくなって。
急いで雅にいがチャリで後編を借りに走って。
それ観終わって時計を見たら結構遅い時間になってた。
慌てて翔にいにメール。
『ごめんなさい。
すぐ帰る。』
『雅紀んとこか?』
『うん。』
『迎えに行く。』
『雅にいが送ってくれるって。』
『そうか、わかった。
気をつけてな。』
雅紀にいが俺が慌てて帰る準備をしてるのを少し違和感を感じてるみたいだけど、今は一刻も早く帰って翔にいを安心させたい。
「ごめん。
今度からもっと気をつけるよ。」
雅にいが頼りなげに目を伏せて俺の荷物を取ると玄関へと向かう後ろをついて行った。