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いとしいとしというこころ

第2章 恋とは知らずに



後ちょっとでバイトも終わり。

さっき届いた荷物の入った段ボールをたたんでバックルームを簡単に片付ける。

ここに入ってすぐにお客様から承った予約を入力したのをミスってないかもう一度パソコンで確認。

よし、大丈夫。

残り数分、フロアに出て整理整頓でもしてれば時間になるだろう。

エプロンの結び目を後ろ手にキュッと引いて1番散らかりがちな週刊誌のコーナー前に立ち手早く整える。

無造作に置かれていた本が目に入って手に取ると少し離れた正しい場所、その参考書を戻すために奥へ向かう。

その本が入るスペースが空いてるのを確認して入れていたら、俺の隣りにいた人が似たような参考書を上の段へ戻そうと手を伸ばすのが視界に入ってきた。

「あ、僕がやりますよ。」

そう声を掛けて本を掴むと、

「ありがとうございます。」

とお礼を言われた。

「いいえ、とんでもないです。」

本を戻し終えて向き直ると俺の目の前に少し小柄な男の子。

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