いとしいとしというこころ
第2章 恋とは知らずに
「ありがとうございました?」
この子が語尾にハテナマークを付けて、どうしたの?と言いたげに俺を見る。
多分、まじまじと瞬きも忘れてジッと見つめてしまっていたからだと思われ。
「…あっ!いえっ。ぜんぜん!
どうしたしまして。」
我に返ってアタフタと応えると、
ふふふ、って可愛らしい笑い方でお辞儀までしてその場を立ち去る。
かわいー
すっげーかわいい。
それしか言葉にならない。
男の子だった。
学ラン着てたし。
でも可愛いもんは可愛い。
初めて会ったな。
見かけたことない。
見たら今みたいになってたと思う。
一度見たら忘れないよ、可愛くて可愛くて。
男の子だけど付き合いたい、とか真剣に考えてしまった。
んなわけないか
でも友達にはなりたいかも。
なってくれるのなら。
また来てくれるかな…
そしたら声かけよ。
できたらいきなりでびっくりするかもしれないけど言ってみよう。
ともだちになって
…って。