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いとしいとしというこころ

第5章 新しい毎日



雅にいが部屋から出る時。

どうしてだかわからないけど、手を取った。

振り向いた雅にいに抱きつきたい…って思って、でも出来なくて、手を握ったまま俯いてしまう。


ふわ…


次の瞬間。

ふんわりと雅にいの腕の中に包まれた。



うそ…



「お母さんに久しぶりに会えたの、よかったね。
お母さん、元気だった?」

「うん、元気だった。」

「そっか。」

「…」

「甘えたくなっちゃった?」

「…」

なんだよ。

俺がホームシックとか、お母さん恋しさでとか思ってるんだ。

別に、いいけどね。

そんなことは、どーでもいい。

雅にいの匂いのする洋服に頬を寄せて、もうちょっと感触や感覚を覚えておくために目を閉じた。

それなのに雅にいは俺のほっぺたを…それも両方摘んでおまけに横に引っ張って。

「明日からも元気でガンバレ!」

痛がる俺を、あはは!って笑ってた。

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