いとしいとしというこころ
第7章 はじめてのチュー
カップをテーブルに置いて雅にいのとなりに行った。
「あ…明日、俺、誕生日なんだ。」
「え?」
「誕生日…。」
「そうなの?早く言ってよ!」
ちょっと拗ねて雅にいが俺に言う。
「誕生日おめでとう!
和くん?なんか欲しいのある?」
きた。
ここぞとばかりに言おうと口を動かすんだけど上手く言葉にできない。
「なに?言ってみて。
高いのはムリだけどさ。」
「…うん。」
「俺が買えるもの?」
「買う…んじゃなくて。」
「じゃあ、どこか行きたいとか?」
あ、それもいい。
ゲーセンとかバッティングセンターじゃなくて、遊園地とか動物園とか行きたい。
「そ、そうだね。
遊園地や動物園に行きたい。
でも今はそれじゃない。」
「えー。
それ俺ができるの?」
うん。
雅にいじゃなきゃダメなんだよ…