いとしいとしというこころ
第10章 もどかしい距離
「あっ!」
気づいた時にすぐに足を運べなくて、俺の声に視線を辿った翔ちゃんと松潤が和くんのそばへ向かう。
「大丈夫か!」
「うん。平気。」
「水で冷やそう。」
我慢してるみたいな様子の和くんの手を取って水道のあるところへ松潤が連れて行く。
翔ちゃんが俺に、ありがとうって言ったから、
「ううん。ごめん。
すぐに動けなくて。」
情けない声で返す。
しょんぼりという姿の俺に、
「お前が声を上げてくれたから助かったよ。
和が我慢したらわからないままだった。」
優しく笑ってもう一度、サンキュって。
大ちゃんも微笑みながら、
「さすが相葉ちゃん。」
なんて。
「和くんのこと見てるからすぐ気づいてあげれたんだ。」
すぐ行ってあげたらもっとよかったんだけどな
その言葉に、俺も今そう思ってるよと小さく答えた。