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いとしいとしというこころ

第10章 もどかしい距離



和くんが松潤と帰ってきた。

俺たち3人で大丈夫?と口々に言うと、

「大丈夫。
ごめんね。心配させて。」

へらっと手を見せながら笑った。

「和、もう大丈夫だな、
こっちの肉焼いて?」

松潤も和くんに優しく接して肉のパックを差し出す。

ジージー

焼いた肉をタレにつけて松潤と翔ちゃんに、あーん、と口に入れてあげる和くん。

じとっと見ていた大ちゃんと俺に気づいて、おどけて、

「ちょっと待ってよー!
今焼いてるからねー。」

なんて弾んだ声で慣れてきたトング使いで肉を何枚か焼いて大ちゃんのそばへ来た。

大ちゃんは手が空いてたけど、あーん、って口を開けて待つポーズ。

「ふふ。」

タレをつけて食べさせてあげると、残った俺にも食べさせなきゃと、同じように俺に近づいて上目遣いでみる。

「はい、あーん。」

「あ、うん。」

和くんからのお肉をもぐもぐと味わう。

「おいしい!」

もっと焼いて?

そう言うと嬉しそうにまたお肉を焼く作業に戻っていった。

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