いとしいとしというこころ
第10章 もどかしい距離
気になっていたことを思いきって訊いてみた。
「あのさ。
俺ってバレバレなの?」
「はぁ?」
「俺が…和くんを…」
そこまで言うと口をつぐんだ俺に松潤は、言わなくていいよ、という風に喋り始めた。
「悲しいかな、わかるよ。
それは俺が和に好意を持ってるからなのか、元々そういうのわかるタイプなのかは自分でもわかりかねるけど。」
「そう。」
「なんで?気になる?」
「そりゃ気になるよ。
バレバレなのかって。
ね、翔ちゃんは気づいてるかな?」
翔ちゃんはお母さんみたいに散らかったゴミを集めて後が楽になるように片付けに勤しんでる。
「あの人はわからないんだよね。
気づいてないと思うよ。
雅紀どころか…俺の気持ちにもね。」
そう言って笑った。