いとしいとしというこころ
第10章 もどかしい距離
松潤にはわかるんだ。
そういう感情を持ってるか、持ってないか。
松潤からは打ち明けられてたから今はわかる。
和くんのこと、そういう感情を持っていて接してること。
言われてなかったら俺、気づいたかな。
今は和くんのことで精一杯だから。
今日だって和くんのことばっかり見てたらおかしいから、さりげなく、こそっと盗み見てる。
だから同じように、こそっと俺を見る和くんと目が合う訳で。
それだけで嬉しくなってしまうんだから重症だ。
和くんとはこのまま、
仲のいい友達のまま。
そう思ってる…
そう思おうとしてる…
なのに目が合うと嬉しい顔をしてしまうし、
“すきだよ”
って…
伝わるように念を送るんだから。
矛盾してる。
バカだ、俺。