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幸せだった日々

第5章 それぞれの気持ち

「…紫穂ちゃんのことが好きなんだ。俺と付き合ってほしい…」

『えっ…』

耳を疑った…今なんて言ったの…???

「ずっと紫穂ちゃんが好きだったんだ。昨日、海を歩いてる時、手をつないだのは好きだからだよ」

そうだったの???
悠翔さんは私に恋愛感情は持ってないって勝手に勘違いしてた…
だから、新しい人を探そうって…

『…でも、私…今まで誰とも付き合ったことないんです…』

「うん、知ってるよ。前話してくれたよね。俺と一緒に新しい経験をしていこう」

『こんな私でいいんですか…???誰とも付き合ったことないから何にも知らないし、面倒くさいかもしれないですよ…???』

「そんなこと思わないから大丈夫っ。だから…俺と
付き合ってくれる…?」

悠翔さんの言葉がとっても嬉しかった…
マイナスな考え方ばっかりしてた自分が恥ずかしい…

悠翔さんの優しさで私の答えは決まった。

『よろしくお願いします』

「よかった。俺は今から友達に紫穂ちゃんとのこと、報告しに行ってくるね」

『報告…???』

「透夜とか颯斗、ほかの友達にも今日告白してくるって言ってあるんだよ。みんな気になってるから行ってくるね」

そっか…いろいろな人たちに私に告白すること話してあったんだ…(笑)

『わかりました。私は早めに寝て、風邪を治しますねー』

「うん、ゆっくり休んでね。報告が終わったら、メールするからね。あと…敬語と【さん】づけは禁止」



わたしはこの日から悠翔さんの彼女になった。
今まで何人かに告白されたことはあったけど、付き合ったことは一度もない…。
彼氏いない歴22年から脱出できたことがとってもとっても嬉しかった。




夜になり、悠翔さんから電話がかかってきた。

『もしもし…』

「電話が遅くなってごめんね…。報告しに行ったらいろいろ聞かれて、なかなか帰してもらえなかった(苦笑)」

『そうだったんですねー(笑)』

「…敬語は禁止だって言ったはずだよ?」

あっ…しまった…いつもの癖でつい…

『すみません…じゃない…。ごめんね…。今までずっと敬語だったから急にタメ語は難しいよ…(涙)』

「そうだよね…。じゃあ、敬語は時々なら使ってもいいから、いずれはタメ語で話せるようにしてね」

『はいっ』

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