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童話短編集

第1章 伝えることの大切さ

あるところに二匹の捨て猫がいました。片方はだまって、片方はニャーニャー鳴いています。


道ゆく人々は、鳴く猫のほうにだけ食べ物を置いていきます。


 雨降る日も鳴く猫にだけ傘をかけられます。もう片方の猫は、おなかがすき弱っていきます。


鳴かない猫に気付く人もいるけど、やっぱり鳴く猫にしか、与えられません。





ある晴れた日のこと……二匹の猫の前を高校生くらいの一人の女の子が通ります。


「死ぬなんて、そんなはずないよね」


女の子は呟くと衰弱した猫を見つけると、抱きかかえ慌てて動物病院に連れて行きました。


病院で猫は、治療をしてもらいました。治療が終わると女の子は、猫を公園に連れて行きます。そして言いました。

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