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童話短編集

第3章 にっこり☆ドール

「わぁっ!」

 あきこちゃんが大きな声を上げたので、みんなが起きてしまいます。

「あきこちゃん!」

 園長先生があきこちゃんのところに来ます。

「これ、どうしたの?」

「わたしの人形!」

 かおりちゃんが走ってきます。かおりちゃんは、人形を見るとわんわん泣きます。

「うわーん。うわーん」

「あきこちゃん、どういうこと?」

「わたしじゃないもん!」

 あきこちゃんはそっぽを向きます。

「あきこちゃんのバカ!」

「あきこちゃん、かおりちゃんに謝ろうね」

「いやだ! いやだ! わたしは悪くないもん!」

 あきこちゃんは、ぷくーっと頬をふくらませます。ついにその日は、かおりちゃんに謝ることはできませんでした。それから、あきこちゃんは、みんなの中に入っていけないのです。

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