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童話短編集

第3章 にっこり☆ドール

「わたしが悪いんだっ! かおりちゃん、ごめん。ごめんなさい」

 あきこちゃんは、かおりちゃんに近づいていきます。

「ごめんね。わたしが悪かったよ」

「いいよ。わたし、もう怒ってないから。一緒に遊ぼ!」

「かおりちゃん、これ!」

 あきこちゃんは、あの時、かおりちゃんがいらないとゴミ箱に捨てた人形を拾うと、お家でママと人形と手をくっつけたのです。あきこちゃんは、それをかおりちゃんに渡します。

 本当は悪いと分かっていたのです。ママにも怒られたので謝らないといけないと思っていたのです。少し意地を張ってしまっていたのでした。

「ごめんね」

 あきこちゃんはもう一度、謝ります。

「いいよ。これ、あげる!」

 直された人形をかおりちゃんはあきこちゃんにあげます。

「いいの?」

「いいよ。友だちのしるし」

「ありがとう!」

 あきこちゃんとかおりちゃんは二人で笑います。

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