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童話短編集

第1章 伝えることの大切さ

  女の子はそう言うと、猫をもといた場所に戻しました。


 猫は女の子と離れるのが辛いのかニャーニャー鳴きながら、女の子にしばらくついて行きました。


 女の子は家につくと涙を流し、ガラス窓を開けて星空に祈りました。


“あの猫さんがどうか幸せになれますように”






 それから数日後……。


 二匹の猫は、同じくらいニャーニャーと鳴いていました。
二匹の猫は偶然通った動物好きの女性に、可愛いと一目惚れされ、引き取られ飼われることになりました。


 そうして、鳴かなかった猫も幸せになれたのです。


 あの日、猫を助けた女の子の願いは届きました。


 伝えるのは大切なこと。そこからはじまるんだよ。


 ほら、勇気を出して。次はあなたが伝える番だよ──。


End 

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