欲望ベイベー
第14章 待ってるってしんどいの。
A「なんで・・・」
なに傷付いた顔してんだよ。
それを俺に渡した事に深い意味なんか無いくせに。
俺が欲しそうにしてたからくれただけだろ。
N「鍵無いと困るだろ。俺別に必要無いし。」
A「待てよ、なに怒って・・・、」
N「潤くん、翔さん、悪いけど俺帰るわ。」
A「はぁ?!」
M「おい、カズ・・・」
S「どうしたんだよ2人とも!」
焦る3人を無視して玄関へ足を進める。
A「にの!!」
追いかけてきた相葉さんに腕を掴まれたけど、振りほどいて睨んでやった。
N「俺、もうこれ以上相葉さんを好きになんかなってやんないからな!
もう色々期待して落ち込みたくない!
バカ!バカバカバカ!!」
A「にのっ、」
N「今日はもう顔見たくない!
バイバイ!!
追いかけてくんなよ!!」
玄関のドアを派手な音を立てて閉める。
ホントに、これ以上好きになんかなるもんか・・・
これ以上、相葉さんを欲しがったりしない。
N「やっぱ、男同士で人並みの幸せなんか手に入んないのかも・・・」
たまに会って、ご飯食べたりお酒飲んだりエッチしたり。
それだけで良いんだよな・・・
うん、十分じゃないか。
夢を見るのはやめよう。
N「あ、スマホ・・・」
相葉さん家に忘れてんのに、鍵放り投げてきちゃった。
N「もう、何もかも最悪・・・」
今さら戻れないし・・・
幸い明日は5人での雑誌撮影だ。
相葉さんならちゃんと持ってきてくれるだろう。
若干会うの気まずいけど。
何事も無かったかのように振る舞えば良い。
N「はぁ・・・」
薄手のブルゾンはやっぱり寒い。
予定では、帰りは相葉さんと手を繋いで暖めてもらうハズだったのに。
そんな甘えた思考をしていた数時間前の自分を、ぶん殴ってやりたかった。