欲望ベイベー
第14章 待ってるってしんどいの。
A「にの・・・?」
俯いた俺の頭を、相葉さんの大きな手が撫でる。
撫でられるのは好き。
キレイな指が俺の髪をサラサラと梳かす感触が気持ち良くて、甘えたいモードになっちゃうんだよね。
でも。
頭に乗っている手を、思い切り跳ね除けた。
相葉さんは驚いた顔で俺を見つめる。
N「触るな。」
A「・・・、」
N「俺ばっかりかよ。」
A「え?」
N「相葉さんて、俺の事好き?」
A「当たり前だろ、」
N「付き合う前より?
付き合ってから好きって気持ちはずっと一緒?
それとも大きくなった?小さくなった?」
なんで一緒に暮らそうって言ってくれないの。
なんでプロポーズしてくれないの。
なんで俺と同じくらい、好きになってくれないの。
・・・なんで鍵なんか渡したの。
A「にの、どうしたんだよ、」
俺の頬に触れて、じっと目を見つめられる。
これも俺が好きなやつ。
さっきから分かっててやってるんだ。
こうすれば俺が甘えてくるって分かってるんだ相葉さんは。
N「ムカつく・・・」
なんで、
何で俺ばっかり・・・
N「不公平だ。」
A「え、なに?」
N「俺ばっかりこんなに好きなのって、不公平だ!」
ダンッと椅子から立ち上がってビールを一気に飲み干す。
A「にの?!」
N「あーもうムカつく!!」
A「いてっ、」
相葉さんに貰った鍵を思い切り投げつけると、少し気分が上向いた。
N「要らないよ、そんな鍵。」