欲望ベイベー
第15章 好きすぎて。
A side
A「さっき、にの怒ってたけどさ。
これ以上俺の事好きになんかなってやんないって。
色々期待して落ち込みたくないって。」
M「・・・裏を返せば、好きで好きでたまんない、って?」
イタズラっぽく、いや、呆れたように片眉を上げて松潤が笑う。
A「可愛いなぁって思わず見惚れちゃったよ。
怒りながら、俺に告白するにのちゃんを。」
M「のんびりしてるなぁ・・・
カズ、結構しんどそうだったけど?」
A「だから、俺性格悪くなったのかなって思ったんだよ・・・。」
すぐにでも決壊しそうな程、ウルウルの涙目で精一杯俺を睨んでいたにの。
たまらなかった。
A「泣かせたくなっちゃったんだよね。」
M「・・・うわー。」
最低、と小声で呟いた松潤は今度こそ呆れているようだ。
A「もう引かれてるから全部言うけどさ。
泣いたあとに甘えてくるにのって、もう尋常じゃないくらい可愛いんだよ。
それ見たいって思っちゃった。」
俺に縋って乱れるにのを。
M「随分余裕だな。」
A「最低な彼氏だよね。」
M「友人としては、なるべく泣かせてほしくはないけどね。
早いとこ甘やかしてやってほしいよ。」
チラリとスマホに目を向けた松潤が、口の端だけで少し笑った。
M「涙目で甘えてくるカズって、ホント可愛いよな。
俺だって押し倒したくなるくらいだったし。」
A「・・・え?」