欲望ベイベー
第15章 好きすぎて。
S side
S「疲れた・・・」
まぁ、一応仲直りできて良かった。
何でニノが怒ってたかは分からないが、雅紀とニノなら大丈夫だろう。
外に出ると、風が冷たくて疲れた体に気持ち良かった。
潤、何してるかな・・・
きっと2人を心配してたんだろう。
電話を掛けるとワンコールで出た。
M『翔くんっ、』
S「遅くなって悪い、今から帰るわ。」
M『大丈夫だった?』
S「ああ、仲直りはしたよ。今頃仲良くヤッてんだろ。」
M『あははっ、良かった。笑』
ああ、潤の声。
疲れた心に染みる〜♡
S「早く潤に会って癒されたいよ。
俺にはあのワガママ小悪魔ちゃんの相手は無理だわ。」
M『ふふっ、何言ってんの。』
S「いやマジで。超疲れた。」
M『ふーん・・・じゃあ、俺がワガママ言ったら、翔くんは疲れて俺の事嫌になるんだ?』
S「は?!」
ふふっ、と耳元を擽られるような、甘さの混じった声で潤が続ける。
M『俺は恋人にワガママひとつ言えないの?』
俺の事、からかってんのか。
ホントにこいつはどんどん甘くて可愛くなる・・・
S「ワガママ言いたいのか?」
M『・・・別に、』
S「ははっ!」
M『??』
突っ込まれたら引いちゃうとこは、まだまだ真面目で素直じゃないお前らしい。笑
S「お前のワガママなら、なんだって聞いてやるよ。」
だから、ずっと俺のそばに。
M『・・・なんでも?」
S「ああ。」
M『じゃあ、今すぐダッシュで帰ってきて。
1秒でも早く俺を抱き締めて。』
S「・・・了解。すぐ帰るから待ってろ。」
潤の返事を待たずに電話を切って、走り出す。
ヤバ、俺顔ニヤけてるな。
だって、潤がごく普通の事を一生懸命ワガママぶって言うもんだから。
あいつ何であんな可愛いの?
絶対いま、ワガママ言っちゃったってドキドキしてんだろ。
1秒でも早く潤を抱き締めたい。
そして、俺のワガママを聞いてくれるだろうか。
潤、一緒に暮らそう。
今度こそ、ちゃんと返事を聞かせてほしい。