欲望ベイベー
第2章 そばにいたい。
斜め後ろだから自分からは死角だったんだろう。
手を伸ばして引っかかっている物を取ってあげると、潤くんが固まった。
S「あれ?!ネックレスどっかで落としたかも!!」
M「っ!!」
すみません、とスタイリストさんに謝っている翔さんの声が聞こえてきた。
ニヤリと笑って見ると気まずそうに顔を赤らめる可愛い潤くん。
N「翔さーん、これ落ちてたよー?」
S「マジで?!ありがとうニノ!!」
ネックレスが絡まって引っかかるなんて、どんだけ激しく抱き合ってたんだよ。
紫色の糸クズは目立つから、すぐ気付いて綺麗に除去したんだろうけど・・・
残念、甘かったね潤くん。笑
N「これからもお互いフォローしようね?潤くん♡」
んふふっと笑って潤くんの腕に絡まると、
すっかり落ち込んでいる潤くんがため息を吐いた。
M「またストールの糸がつくから・・・
くっ付くなよ・・・」
N「あはっ、そうだね。笑」
クソ、誰がこんなストール選んだんだ、と衣装に文句を言い出した潤くんがおかしくて大笑いしてしまった。
内緒の恋愛って大変だね。
甘えたい時に甘えられないもん。
お互い、彼氏がチョット抜けてるから俺らがしっかりしないとだしね?
N「ま、お互いラブラブで何よりだよ。」
M「・・・そうだな。」
クスクスと笑いの止まらない俺を見て、
潤くんも諦めたのか笑い出した。