欲望ベイベー
第2章 そばにいたい。
ちゃんと時間厳守でスタジオに戻ったのに、俺らを見て険しい表情になった潤くん。
・・・なんで?
M「ちょっと来い!!」
A「え、俺?!」
相葉さんの腕を掴んでスタジオの隅に引っ張って行く。
N「ちょっと潤くん?!」
M「ガムテープ!!」
N「へ?!」
訳が分からないけど、潤くんが怒ってる・・・
スタッフにガムテープを借りて戻ると、潤くんが相葉さんの服をパタパタとはたいていた。
M「やっぱ手じゃ取りにくい・・・
あ、カズそれ貸せ!!」
相葉さんの白いシャツに付いた、
たくさんのピンクの糸クズ・・・
N「うわ・・・」
A「ごめんね松潤。」
申し訳なさそうに笑う相葉さん。
俺は恥ずかしくて顔を上げらない。
M「お前らなぁ、もっとしっかりしてくれよ。
バレたらどうすんだ!」
ガムテープでベリベリと糸くずを取っていく潤くん。
M「カズのストールの糸クズこんなにくっつけてきやがって・・・
抱き合ってましたって言ってるようなもんだぞ。」
N「・・・ごめんなさい。」
よし、全部取れた、と満足そうに言った潤くんが、
次は俺のストールの乱れを直してくれる。
M「別に怒ってないから。
んな落ち込んだ顔すんなよ。」
優しく笑ってくれる潤くんだけど。
いくら寂しいからって仕事場で甘えてボロを出すなんて、情けない。
気を付けないと・・・
N「ん?」
俺と色違いで紫色の大判ストールを巻いている潤くん。
そのストールがキラッと光った。
N「ねぇ、潤くん。」
M「なに?」