欲望ベイベー
第17章 大野さん。
O side
雑誌の撮影日。
楽屋のドアを開けると、すでにメンバーが揃っていた。
適当に挨拶を交わして、ソファに落ち着くと軽く睡魔に襲われる。
このソファの寝心地、最高なんだよなぁ・・・
寝不足じゃなくても、ここに座れば眠くなる体質になってしまったんだきっと。
ゴロンと横になって目を閉じた瞬間。
メールの通知音が耳元で鳴って驚いた。
カバンを枕にしたもんだから、スマホが頭の下敷きになっていたようだ。
朝からメールが届くなんて珍しい。
送り主を確認して、さらに珍しさに驚いた。
“ 相談に乗って!!”
O「なんの??」
良く分からないが、短文から必死さは伝わってくる。
チラッと仲良さげなカップルに目をやると、向こうもチラッとだけ俺を見た。
相談ねぇ・・・
別件でも相談の予約が入ってんだけどな。
すっかり眠るタイミングを逃した俺はコーヒーポットに手を伸ばす。
O「誰かコーヒー飲む?」
AM「「飲む!!」」
O「ははっ。」
俺のもとにやってきた迷える子羊2匹。
コーヒーを入れてやりながら、笑いを堪えるのに必死だ。
何を悩んでるんだろうな、2人は。