欲望ベイベー
第21章 翔くんの愛。
遡ること数十分前。。
S side
S「はぁ?!遅れるって・・・
智くん来ねぇと式にならないじゃん!」
大広間を抜け出して、なるべく小さな声で話す。
電話をかけてきた智くんは、運の悪い事に事故渋滞に巻き込まれているらしい。
O『悪い、そっちはどんな状況だ?』
S「それが雅紀も来てないんだよ。
ニノだけ来ちゃってどうすんだ。
俺らがスーツなの怪しんでるし誤魔化し続けんのなんか無理だって!」
O『やべぇな・・・相葉ちゃんにも電話したんだけど出ねぇんだ。
何やってんだろな。』
確かに、俺も何度か雅紀に連絡したがつかまらない。
新郎と神父が来てないなんて・・・
このサプライズ、果たしてうまくいくんだろうか。
O『とにかく、渋滞抜けたら急いで行くから。
なんとかしといてくれ。』
S「・・・OK。」
なんとか・・・できるかなぁ。
電話を切って、小さく息をついた。
雅紀とニノの為だ、頑張らねーとな!
M「翔くん・・・」
S「あれ、ニノはどうした?」
心配そうな顔で寄ってくるのは、潤ひとり。
ニノはまだ大広間だろうか。
M「翔くんが遅いから様子見に来たんだよ。
電話、相葉ちゃん??」
S「いや、智くん。
遅れるって・・・雅紀も連絡つかねぇし、どうしたもんかな。」
M「なんか、カズは俺らが主役のパーティだと思ってるっぽいよ?」
S「マジで?!まぁそう勘違いしてた方が良いか。」
その方がサプライズにはなる。
スーツに着替えてて良かったのかもな。